私たちは、刑事裁判においてより充実した審理を行うことが、被告人の社会復帰のため必要であると考えます。被告人の確実な立ち直りは、間違いなく社会の安全を生み出します。
私たちの研究所は、ソーシャルワークの理念、知識、方法・技術を駆使して、福祉的支援を必要とする被疑者・被告人、少年の権利擁護を行うことを目的として活動します。
私たちにできる活動
- 福祉的支援を必要とする被疑者・被告人、少年に対する個別事例のケース支援
- ケース支援を担う人材の育成
- 福祉的支援を必要とする被疑者・被告人、少年を支える社会資源の開拓
- 福祉的支援を必要とする被疑者・被告人、少年の権利擁護のための、司法・福祉・医療・心理・教育等のネットワークの構築
- 福祉的支援を必要とする被疑者・被告人、少年の権利擁護に関する研究、情報発信、啓発
- その他関連する事業
あいさつ
私は、2009年5月21日の裁判員裁判開始後、その審理が市民の期待に応える充実したものになるようにという願いを込めて、「裁判員裁判のための対人援助専門職ネットワーク」を結成しました。
この会の設立時、私は次のように考えました。「被告人と犯罪行為が科学的、社会的に解明され、被告人立ち直りの方策が視野に入った審理が行われなければならない。そのために対人援助専門職(臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士、同領域の研究者)が刑事裁判に関与する必要があるのではないか。」
そして実際、この10年の間に、刑事裁判において対人援助専門職が何らかの鑑定を行い、資料を提出し、また法廷で証言するというような事例は増えました。そして、私の呼びかけに応じてくれた対人援助専門職、弁護士とともに実際に体験した裁判例の研究会を継続してきました。
司法ソーシャルワーク研究所の設立は、このネットワークの活動の延長上にあります。組織体制をしっかり整え、法律専門職と共に次の時代の刑事裁判を創り出していきたいものです。私たち研究所は、一足先に誕生した「司法心理研究所」(橋本和明代表理事)とも連携・協力関係を保ちつつ、切磋琢磨し、よりよい刑事裁判のために寄与したいと考えています。
2019年11月22日
代表理事 藤原正範